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コストパフォーマンスが高い断熱材選びの方法

2021-09-29

レイアウトの清水です。
今回は住宅に用いる断熱材について、種類や能力を比較しながら、コストパフォーマンスの観点から失敗しない選び方をお伝えします。

 

ちなみに共感住宅レイアウトでは、グラウウールを使っています

これが結論ではあるのですが、ではなぜグラウウールを選んでいるのか、その部分をお伝えできればと思います。

 

複数ある住宅に使われる断熱材の特性や、「熱伝導率」という能力値などについてご紹介しますので、「結局どの断熱材が良いの?」という疑問解決にお役立てください。

断熱材選びの方法
  1. 断熱材の役割
  2. 種類別メリット&デメリット
  3. コストパフォーマンスが高いのは

 

1.断熱材の役割

1)読んで字のごとく「熱」に作用する

熱の伝わりかたには伝導、対流、放射という3つのタイプがあります。
この中で、断熱材は空気の対流を止めたり伝導を抑えることによって、熱の伝わり方を変えます。
熱の伝わり方、伝導、放射、対流をイメージした図

 

注意したいのが、断熱材は熱の伝わり方を変える道具であって、調湿や気密などに使うものではない、ということ。
部屋の中の湿気(水蒸気)をどうにかしたり、気密性能を高めるのは、断熱材ではない別のものです。

 

断熱材に湿気を吸わせたり、防湿気密層を施さないむき出しの状態で使ってはいけません。
断熱材は、水を含むと断熱力が落ちるからです。

 

例えば、熱くなった鍋の蓋を濡れた布巾で掴むことをイメージしてみてください。
しっかりと掴んでしまうと火傷するので注意が必要ですが、鍋の熱がすぐに伝わってくることが分かるかと思います。

また、冬であれば濡れた手袋をして外を歩いてみてください。
乾いた手袋をしているより、寒さが堪えるでしょう。
熱いヤカンと手袋の写真

 

つまり、水があると、熱さ冷たさといった温度は、乾いている時よりも伝わりやすくなるのです。

  温度[℃]
熱伝導率 W/m・K
乾燥空気 0 0.0241
10 0.582
0 83.5

 

だから、断熱材の施工には、防湿気密層の施工をセットにするのが必須なのです。

 

2)防湿気密層を設けよう

透湿抵抗が高く結露の元となる水蒸気を通しにくいとされている断熱材だったとしても、防湿気密層は設けたいです。

防湿気密層として用いられている「住宅用プラスチック系防湿フィルムB種」の透湿抵抗は 0.144(㎡・S・Pa)/ng。
断熱材で最も透湿抵抗が高いものでも、0.033(㎡・S・Pa)/ngです。

 

微々たる差かもしれませんが、基本的にやり替えが効かない壁の中の事です。
家を健康で長持ちさせるために、家の大敵である湿気を防ぐように造っておきましょう。
防湿気密層があることを示した外壁の断面図

 

2.種類別メリット&デメリット

断熱材と気密層の2頭立ての重要性が分かったら、次は「どの断熱材が良いのか」ですよね。

 

住宅用の断熱材には、大きく分けて3つのタイプがあります。
グラスウールなどの無機繊維系断熱材、ポリエチレンフォームなどの発砲プラスチック系断熱材、セルロースファイバーのような木質繊維系断熱材です。

 

まずはそれぞれの特性と、メリット・デメリットを確認しましょう。

 

1)無機繊維系断熱材

グラスウール、ロックウール、ロックウールボードほか
グラスウールの写真

繊維同士が無秩序に絡み合うことで空気の流れを止め、断熱性能を発揮する断熱材です。
フェルト状のもの、ボード状のもの、吹込みタイプがあります。

 

繊維系断熱材の熱伝導率は約0.034~0.050W/m・K。
1mあたりの熱抵抗値Rは約29.4~20です。

プラスチック系断熱材に比べると、断熱性能は低いですね。

 

メリットは、原料が無機質のため、不燃性が高いこと。
また、フェルト状のものはふわっとしているので、築年数がたって柱が乾いてきたときに、木の動きに寄り添ってぴったり寄り添ってくれる柔軟性があります。

また、グラスウールは発泡プラスチック系に比べてお値段もお手頃です。

 

デメリットは透湿抵抗が低いことですが、防湿気密層はどの断熱材でも備えておいた方が良いことは忘れないでおきたいですね。

 

2)発砲プラスチック系断熱材

ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム、フェノールフォーム
吹付ウレタン系の断熱材写真

プラスチック樹脂を発砲させて、その中に空気を閉じ込めることで断熱性能を発揮します。
ボード状のものと、現場発泡のものがあります。

 

熱伝導率が約0.022~0.045W/m・K。
1mあたりの熱抵抗値Rは約45.45~22.22です。

繊維系断熱材に比べて、熱伝導率が大変優秀なのがメリットです。

 

デメリットは、形が変わらないこと。木が痩せてきたときに追従できず、隙間ができる可能性があります。
また、無機繊維系断熱材に比べて燃焼性にやや難があります。

 

地球温暖化防止の観点から、ノンフロン品を使用することが望ましいです。

 

3)木質繊維系断熱材

インシュレーションボード、吹込みセルロースファイバーなど

他の断熱材と併用されることも多いです。
熱伝導率は約0.038~0.052W/m・K、1mあたりの熱抵抗値Rは約26.3~19.2と、無機繊維系とほとんど同じです。

吹込みセルロースファイバーは吸放湿性が高いので、確実な防湿気密層が必要です。

 

断熱材の種類と熱伝導率

熱伝導率 W/m・K
(値が小さい方が優秀)
無機繊維系断熱材 0.034~0.050
発泡プラスチック系断熱材 0.022~0.045
木質繊維系断熱材 0.038~0.052

 

3.コストパフォーマンスが高いのは

断熱材のコストパフォーマンスの考え方は、値段当たりの熱抵抗値が高いものを選ぶ、です。

具体的にどういうことか見ていきましょう。

 

1)熱抵抗値

コストパフォーマンスを考えるにあたって、熱抵抗値という基準が肝になります。

こちらは熱伝導率から導き出すことが出来る値で、大きいほど熱を伝えません
つまり、高性能の断熱材はこの熱抵抗値が高いのです。

熱抵抗値(R)=

断熱材の厚み(m)/ 熱伝導率(w/m・K)

熱伝導率と違うのは、厚みの増減による断熱性能の変化が分かる事。

 

例えば、熱伝導率0.04の断熱材で、施工厚が7cmの時と20cmの時では、

【厚み70cm】0.07/0.04=熱抵抗値R1.75

【厚み200cm】0.2/0.04=熱抵抗値R5

厚みが多い方が熱抵抗値も大きくなります。

このように同じ断熱材でも、施工の厚みで熱抵抗値は変わるのです。

 

2)断熱材の価格

熱抵抗値と断熱材の厚みの関係が分かれば、後は値段当たりの熱抵抗値が高い方を選べば良いです。

同じ値段で熱抵抗値が高い=コストパフォーマンスが高い、と言いえます。

 

こちらも具体例で考えてみましょう。
某グラスウールと、某吹付発泡ウレタンを比較します。

某グラスウール 某吹付発泡ウレタン
施工厚 12cm 7cm
価格/㎡ 2,200円 3,000円
熱伝導率 0.038 0.034
施工厚での
熱抵抗値
3.15 2.06
100円あたりの
熱抵抗値
0.143 0.068

上の表のとおり、100円あたりの熱抵抗値は某グラスウールの方が高くなります。

最初にお伝えした通り、どの断熱材を施工しても防湿気密層は必要ですので、その分のコストは同じだけかかってきます。

 

まとめ

断熱材はたくさん種類があります。

コストパフォーマンスが高い断熱材を選ぶには、施工の厚み、価格当たりの熱抵抗値、という視点で比べると良いでしょう。
コストパフォーマンスが高い断熱材は価格当たりの熱抵抗値が高いもの、と書いた画像

 

もちろん、施主みずからが断熱材や防湿気密の施工を1から吟味することはなかなか難しいです。

でも、工務店やハウスメーカーを選ぶことはできます。

 

会社選びの際には、ぜひ使っている断熱材の種類やその根拠を尋ねてみてください。

根拠を示してきちんと対応してくれる会社さんであれば、信頼しておつきあいしていける可能性が高いはずです。

 

以上、コストパフォーマンスが高い断熱材選びの方法を、共感住宅レイアウトの清水がお伝えしました。

 

参考資料・文献
木造住宅工事仕様書平成24年版(住宅金融支援機構)
断熱建材・部品等の普及実態調査と技術動向調査(建築研究所)
そこが知りたい物理学(共立出版株式会社)(大塚徳勝著)

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