水害に強い家にするには?新築時の浸水対策はこれ!
date:2021.08.27
こんにちは。レイアウトの清水です。
8月から10月にかけて豪雨による水害や土砂災害が心配……というかた、多いのではないでしょうか。
実際、『近年、時間雨量50mmを上回る短時間降雨の発生件数が増加』
『総雨量1,000mm以上の雨も頻発する等、雨の降り方が局地化・集中化・激甚化』していると国土交通省もレポートしています。
>>水害レポート2020(国土交通省)
毎年、短時間に数百mmから1,000mmを超える大雨が発生して、各地で甚大な被害が発生。
そのうえ、そんな被害の発生回数が増回傾向にあるのです。
水害レポート2020(国土交通省)より作成
気になるのが、「うちの家は水害や土砂崩れなどの被害に対しして大丈夫なの?」というところ。
とくにこれから一戸建てを新築しよう!というご家族にとっては、出来る限り浸水や土砂災害に遭いにくい場所に建築することが必須ではないでしょうか。
そこで、水害からご自宅を守り、ご家族に安心して暮らしていただけるよう、新築の時にぜひ取り組みたい、基本的な対策をご紹介します。
水害から家族を守る基本知識5つ
水害から家族を守るには |
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1.家を守るには土地選びが全て
家族を守るため、住まいを守りたい。
どうすれば住まいを守れるのでしょう。
ずばり、土地選びです。
土地でしか水害を避けることは難しいとも言えます。
家は人や車のように動かせません。
基礎の高さを上げることには限度がありますし、家に入るまでに高低差や段差が多いことは、毎日の暮らしにとってバリアとなります。
新築は、家族の命を守ることを考えるチャンスです。
この機会を逃さないように、土地選びの際は『水害対策』という視点もお持ちください。
2.水害には2種類ある
水害に強い家にするために知っておきたい知識として、水害の種類があります。
それが、「外水氾濫」と「内水氾濫」です。
「外水氾濫」とは、河川の水位が堤防を越え、決壊して氾濫することです。
気象庁提供
一方「内水氾濫」とは、本来地面に吸収されたり下水に流れるはずの雨水が、処理されずにあふれること。
内水氾濫は都市型の氾濫ですが、どこで起こるのかを把握するのが難しいそうです。
「災害の記録 水害対策を考える」(国土交通省)より
大阪市を調査した研究では、内水氾濫が頻発する区域は、
・水が集まりやすい窪地より平地に多い傾向がある(窪地よりも下水処理が遅れている)
・傾斜や標高が小さい地点に多い傾向がある
・区域の傾斜方向前方には、道路や鉄道など水の流れに影響を及ぼす構造物がある傾向がある
・学校に近い位置にある傾向がある(公共施設は必然性が高いことで条件の悪い土地に進出してしまう)
といった事がわかったそうです。
大阪市における内水氾濫頻発区域の分布とその特性(2018)参考
どの市町村でも同じようなことが言えるとは言い切れませんが、希望の土地が大丈夫かどうか判断するときの材料にしてみても良いかもしれません。
3.家庭内で出来る水害対策
充分に気を付けて土地を選んでも、絶対はないのが自然災害です。
また、今後も雨の降り方が極端になる傾向が予測される(気象庁 2020年)など、「近い将来でも今とは違った気象になるかもしれない」と思っておくのがよさそうです。
もしもの時に家庭内で水害対策をしておきましょう。
①家の安全確保をする
窓は閉めておきましょう。
側溝や排水溝は掃除して、水はけを良くしておくのも大切です。
こちらは普段から掃除しておくことで、大雨の中外に出なくても良くなります。
また、水害によって浄水場が被害をうけ、断水してしまうこともあります。(福島県いわき市における令和元年台風19号での被害と復旧対応 2020年)
飲料水の確保、浴槽に水をはるなどの生活用水の確保もしておきたいですね。
気象庁提供
②避難場所や避難経路を確認しておく
避難場所として指定されている場所を確認しておきましょう。
お住まいの地区や学区の避難場所だけでなく、避難できる距離にある場所や、学校・職場などから近い場所も見ておきたいですね。
更に「家族が離れている時にどこに避難するのか」もあらかじめ相談しておくと安心です。
避難場所までどのルートを通るのか、実際に歩いてみて気づくことも多いので、お散歩ついでに確認するのがおすすめです。
気を付けたいのは、避難場所が浸水地域になっているとき。
避難場所や避難経路を検討するときは、ハザードマップと照らし合わせてくださいね。
気象庁提供
③非常持ち出し袋を準備する
避難が必要になったとき、慌てず、すぐに避難できる準備です。
こちらは家族構成や年齢、持病などで必要なものが違いますので、定期的に見直しをすることも大切。
また両手が使えるリュックタイプにしておくなど、非常持ち出し袋事態にも工夫があると安心です。
チェックシートを活用して、備えておきましょう。
大雨や台風に備えて(気象庁)より作成
④家族間の安全確認の方法を決めておく
内閣府「防災に関する世論調査(平成29年度)」では、災害が起こった時に充実してほしい情報として「家族や知人の安否」を挙げた人の割合が55.2%でトップになっています。
家族の安否が不明なこと、そしてすぐには確認できないことは、精神的にとてもつらいですよね。
仕事や学校などで家族が離れている時にも水害は発生します。
その時に備えて、家族間で安全確認をする方法を決めておきましょう。
「災害用伝言サービス」を活用するのも良いですね。
4.ハザードマップを活用しよう
「水害ハザードマップ」で水害リスクのある地域がわかると、土地選びの際や避難所・避難経路の検討にも役立ちます。
ハザードマップを上手に使って、家族の命を守りましょう。
使い方はハザードマップのサイトにあります。
その他、youtubeでも国土地理院のチャンネルがあります。
「ハザードマップポータルサイト」再生リストからハザードマップの使い方を動画で見ることが出来るので、よろしければご覧ください。
5.防災行動を身につけよう
防災行動とは、防災の知識を実践して、被害を抑えることです。
地震対策の話にはなりますが、内閣府「防災に関する世論調査(平成29年度)」によると
「先延ばしにしてしまっている」「面倒」「自分ではできないとおもう」などの理由で防災行動をとれていないようです。
内閣府「防災に関する世論調査(平成29年度)」より作成
「水害がある地域だとわかっているけど、安く買える土地だし良いかな……」
「警報や警戒情報が出ているけれど、たぶん大丈夫だから避難しないでおこう」
これでは、せっかくの知識が無駄になり、家を守り、家族の命を守ることが難しくなってしまいます。
分かっている事、できることは、なるべく行うことが重要ですね。
毎年、日本のどこかで水害が起きている今、新築を考えているご家族の「水害対策」への関心は高まっているのではないでしょうか。
きちんと取り組む人が増えていく……と思えば、自分たちも防災行動をとらないと!という気持ちになりますよね。
被害を最小限に抑えるために
水害の被害を最小限に抑えて、家族を守るためにできること。
今回お伝えしたのは、
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この5つです。
新築は、水害の被害を最小限にできる本当に良い機会です。
ハザードマップや外水氾濫・内水氾濫の知識を持って水害に強い土地を選びましょう。
もちろん、土地選びは個人だけでは難しい部分もあります。
一緒に家づくりをする工務店やハウスメーカーに相談して、満足・安心できる土地を探してくださいね。
以上、水害に強い家にする、新築時の浸水対策について共感住宅レイアウトの清水がお伝えしました。