部屋の中の木はどのくらい変色する?
date:2024.08.16
家を建てるなら、無垢の木を取り入れたい。
そんなお客様の声を、共感住宅レイアウトではよく伺います。
無垢材は、天然木ならではの優しい質感や、温もりのある空間を演出してくれる魅力的な素材です。
一方で、変色や管理の心配、価格などの面から、木目調クロスを選んだというSNSの投稿も沢山見られるようになりました。
無垢材は天然であるがゆえに、時間の経過とともに色や風合いが変化していく「経年変化」も考慮する必要がありますよね。
「キッチンの天井に木を貼ったら、料理の煙で汚れるかもしれない……」
そんな悩みを持つ方もいるかもしれません。
今回は、家づくりを検討中のご家族へ向けて、無垢の木を部屋の中に使った時の経年変化と、長く快適に過ごすための上手な付き合い方についてお伝えします。
家の中の木はどのくらい変色する? |
|
1.無垢材の魅力
無垢の木の魅力は、なんといってもその「自然素材ならではの風合い」にあります。
世界に一つだけの表情を持つ無垢材は、空間に個性と温かさを与えてくれます。
2.経年変化の理由
無垢床は、時間の経過とともに色や風合いが変化していく「経年変化」が起こります。
室内の木材は雨風には晒されませんので、主に太陽光の影響で変化を起こします。
木材の成分に、「リグニン」というものがあります。
リグニンは植物の成分のうち20~35%を占め、植物の強度を保っています。
このリグニンが太陽光に含まれる紫外線を吸収し、木材を変色させます。
木材によって、変色後に暗くなるものと明るくなるものがあります。
これらの変化は、決して「劣化」ではありません。
木材が自然のものである証としての、当然の変化です。
人が時と共に変わるように、長い時間をかけて一緒に変化していく相棒のように捉えられたら良いのではないでしょうか。
木材の経年変化を好まないなら、無垢材を取り入れるのを控えたり、陽の当らないトイレや浴室などに用いるのがおすすめです。
3.経年変化の実例
実際に経年変化で木材がどれくらい変色するのか見てみましょう。
1.覆いがある場合
・レッドシダークリア塗装
・天井羽目板
・5年
照明のフランジカバーが5年間レッドシダーを覆っていました。
カバーの部分以外が日焼けしているのがよく目立ちます
➡【これが新築5年後のレッドシダーの焼けだ!】
2.覆いが無い場合
・レッドシダー無塗装
・天井羽目板
・4年
キッチン上の天井です。
料理の煙や油で汚れていることもなく、綺麗に見えます。
新築時と比べると少し色は濃くなったかもしれませんね。
➡参考【aki おうちと暮らしとインテリア】スタッフInstagram
4.経年変化と上手に付き合うために
経年変化は自然のものですが、きれいな状態で経年変化を迎えたい場合、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
1. 日差しをコントロールする
紫外線による変色を防ぐためには、室内に差し込む紫外線を調整しましょう。
部分的に強い光が当たる場所がないよう、窓の向きに合わせてカーテンなど庇を遮るものを取り付けると良いでしょう。
2.部分的に光を遮らない
無垢床で多く見られる現象ですが、マットなどを敷くとその部分だけ変色の度合いが変わり、日焼けの跡が残ります。
壁に木を貼っている場合は、家具によって部分的に日焼けすることがあります。
また、天井の木は照明器具のフランジカバーの形に日焼けします。
照明器具を取り換える際には、フランジカバーのサイズにも注意すると良いでしょう。
3. 変色を楽しめる樹種を選ぶ
木材の種類によって、経年変化の度合いは異なります。
「変色は少し気になる…」という方は、経年変化が少なく、比較的安定した色味を保つオークやタモなどの木材を選ぶと良いでしょう。
逆に、「時間の経過とともに変化を楽しみたい」という方は、色の変化が大きく、味わい深くなるチェリーやウォールナットなどがおすすめです。
とはいえ、無垢材の性質は経年変化だけではありません。
硬さや元々の色合い、木目や節の出方など、選ぶポイントは様々です。
変色だけにと割られ過ぎず、好きだと思える樹種を選んでくださいね。
まとめ
無垢の木材は、天然素材ならではの風合いと、経年変化による味わいを楽しむことができる、魅力的な素材です。
新築時が新品であとは劣化するだけの素材ではないところが、他の素材とは違うところではないでしょうか。
無垢材を効果的に施せば、部屋の中の質がぐっとあがります。
自分たちのライフスタイルに合った素材を選び、長く快適に過ごせる住まいを実現してくださいね。