インフルエンザウイルスと湿度の関係
date:2024.03.02
こんにちは、清水です。冬になると流行り始めるインフルエンザ。
皆さんは何か対策をされていますか?
よくある対策として、加湿や換気、手洗いうがいがあるかと思います。
でも、実際に効果があるのか疑問ですよね。
気を付けていたのにかかった経験がある方も多いのではないでしょうか。
私も折に触れてインフルエンザウイルスに関する研究を探してみるのですが、
まず言えるのは、インフルエンザウイルスの研究は今も続いている、ということ。
有名なインフルエンザウイルスの研究にHarper(ハーパー)著の物がありますが、これが発表されたのがなんと1961年です。
Airborne micro-organisms: survival tests with four viruses BY G. J. HARPER
Microbiological Research Establishment, Parton Down, Salisbury, Wilts (Received 28 June 1961)
その研究結果を検証したり、学校や都市、保育園などで実際に調査したり、様々な研究が今も行われています。
色々みていると、インフルエンザウイルスの活性化には「絶対湿度」が関係ありそうなことが分かっているようです。
温度計に出ている「●%」という湿度は「相対湿度」。
絶対湿度とは、一定の空気の中に含まれる水蒸気の重さ(g)のことです。
絶対湿度がある一定の数値になると、ウイルスの生存率が上がり、感染率も高くなるのだそう。
Lowenによると、空気1kgあたりの水蒸気量が大体3.7gまで減ると、ウイルスの感染率は70-80%になるようです。
Influenza Virus Transmission Is Dependent on Relative Humidity and Temperature
Anice C. Lowen1*, Samira Mubareka1, John Steel1, Peter Palese
3.7gってどれくらい?となりますが、相対湿度に直すと19℃で27.2%の湿度です。
外が5℃くらいしかない時、頑張って暖房しても室内が19℃程度にしかならないことはあるかと思います。
その時、湿度が30%を下回っていたら、インフルエンザウイルスにとって快適な環境になっているかもしれません。
絶対が無い中で快適にする
共感住宅レイアウトでは、冬の室内は23℃以上、相対湿度50%を目指してください、とお願いしています。
これは寒さを感じずストレスなく過ごせる最低限の温湿と、それに見合った湿度ですが、ちょうどインフルエンザウイルスの活性化ゾーンからも外れますね。
インフルエンザウイルスの研究では、「絶対湿度量に気を付けていれば絶対安心」ではないことも示されています。
家や学校、会社、公園、デパート、公共交通機関、知り合いの家など、人が過ごす場所は1か所ではないことも関係します。
誠実であろうと思えば、絶対安心です、とは言えません。
いまわかっている事をお伝えしつつ、常に新しい知識を更新していきたいですね。
清水でした。
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Influenza Virus Transmission Is Dependent on Relative Humidity and Temperature
Anice C Lowen ,Samira Mubareka,John Steel,Peter Palese