キッチンの天井に無垢板を張っても変色しない?
date:2021.01.20

自然素材、木の板を壁や天井に使いたい!
でも変色が心配で、木目調クロスにしようか迷ってる!
そんな方向けに、室内での羽目板(壁や天井に張るための板)の色の変化の原因や、
実際に1年間室内に置いた木材とそうでないものを比べる実験をしてみました。
共感住宅ray-outの清水がお伝えします。
目次
|
1.使いたい、でも心配な「木の板」
自然素材を使った家にしたい!
木の板を壁や天井に使いたい!
そんな希望をもって注文住宅で家を建てたいなぁと考えるかたは少なくないと思います。
「でも、木って変色するんでしょ?」
「色が変わったら嫌だから、木を張りたいけれど木目調クロスでがまんしようかな」
というかたも、結構いらっしゃるのではないでしょうか。
- なぜ変色するのか
- 変色したらどんな色になるのか
- どれくらいの時間で変色するのか
がわかれば、木の板を選ぶか、やめておくか、決めやすくなりますよね。
2.屋内と屋外で違う変色
そもそも、家の中(直接太陽光や雨が当たらない場所)と家の外では、木の板の変色は異なった様子になります。
よく言われるのが、室内の木材なら「あめ色」「落ち着きのある色」「明るくなる」、
屋外の木の板は「灰色」「いぶし銀」など。
木材の変色は
- 太陽光
- 雨や結露など水分
- カビや空気の汚れ
- 風
などよって起こります。
なので、気象の条件が異なる屋内と屋外では、木の色の変化も違うのです。
特に大きく影響するのが太陽光で、屋外では直接太陽光が当たるので紫外線の影響が出ます。
また、外壁に張った木は雨水や風などをうけるので、色の抜けが起こりやすくなります。
変色自体も、木材の処理や設置場所によっては短期間で起こります。
一方、屋内ではガラスを通ってくるので紫外線の影響は少なくなります。
板に当たるのが紫外線かそうでないかだけで、もう変色の様子は変わってきます。
雨にも当たらないので、大きな色の抜けも起こりにくいのです。
個人的には屋外で銀鼠色(ぎんねずいろ)になった木板の壁など味があって好きですが、
「う~ん」と思う方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、屋内だけに羽目板を使われることをおすすめします(^^)/
3.屋内の羽目板、1年でどれだけ変色した?
では、実際に屋内の環境にある羽目板は、どれだけ色が変わるのでしょう。
人気でよく使われるレッドシダーの羽目板で、実験してみました。
実験方法は以下の通りです。
- もとは1枚の無塗装の羽目板(レッドシダー)を半分に切る
- 1枚は暗所に保管
- 1枚は日の当たる東の窓辺に上を向けて放置
- 1年後に色の違いを見る
実際の放置期間は2019.11.8~2020.1.6です。
では結果の写真をご覧ください。
どちらが光にあてたものでしょうか。
別の角度からのものもご覧ください。
違い、判りますか……?
ちなみに、左側が光にあてた方です。
わたしは、違いが判りません……。
レッドシダーの羽目板を、1年間光にあてても、大きな変色は見られませんでした。
ただし、実験に使用した羽目板は、サンプルを取り寄せてから1年以上室内に置かれていたものです。
光を浴び、変色が始まって直ぐのころが、一番大きく変色するそうなので、そういったことも影響するかもしれません。
(1年以上たつと変色があまり進まない、とも言えるかもしれませんね。)
これが屋外になると話は別。
紫外線や雨風、空気の汚れによって大きく変色します。
屋外に置いた木の板の実験結果は、また別でお伝えしますね。
4.まとめ
「自然素材、木の板を壁や天井に使いたい!」
「でも変色が心配で、木目調クロスにしようか迷ってる!」
そんな方は、ご安心ください。
室内の木の板は、大きく急激な変色はありません。
とはいえ、木材なので、多少の変色はあります。
「あめ色」「落ち着きのある色」「明るくなる」、など、樹種によって色の変わり方も違いますので、
気になる方はWEBで「無垢の木 色見の変化」などのワードで調べてみてくださいね。
好きなところに木材を使って、心地よい住まいを実現してください(*´▽`*)!!!
西三河の工務店・共感住宅ray-outの清水がお届けしました。
参考文献
片岡厚:木材の気象劣化と表面保護-気象劣化のメカニズム-
大木博成:「都市の木質化と保存処理木材の活用」に参加して