子どもの自主性を育てる間取りって?
date:2020.04.24


2020年の感染症や、夏の酷暑など、子どもをお家の中で遊ばせる機会が増えた近年。
子どもが家にいると、しつけや教育の機会も増えるのではないでしょうか。
家庭でのしつけや教育は、親に余裕があるときでもなかなか難しいですよね。
ただ、その難しさの原因って住環境にもあるのでは、と思うのです。
例えば幼稚園や保育園は、中遊び、外遊び、食事、昼寝などシーンによるゾーニングがきちんとされていて、またそれらに伴う動作が問題なくできるスペースがあります。


photo by こてつん(写真AC)
家でも、ゾーニングがきちんとされていて、「どう使うのか」が明確になっていれば、子どもの自主性をはぐくむ支えになってくれるはず。
そこで今回は、子どもの自主性を育てる注文住宅の間取りやアイデアを、子育て世代が多い共感住宅レイアウトオーナーの実例でご紹介します。
「なぜ子どもの自主性をはぐくむのにおすすめなのか」も載せますので、皆さまの家づくりの参考になさってください。
子どもの自主性を育てる間取り |
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1.自分で玄関まで歩こう
玄関ポーチまでのデッキ階段は、段差を12cm前後でつくっています。
室内の階段が17cm前後であることを考えると、デッキ階段のステップは小さな子供にとって上り下りしやすい高さ。
歩き始めて少し経ったら、だっこではなく自分の足で階段を上り下りする練習になります。
段数も4~7段ほどなので、途中で飽きることも少ないかもしれません。
「できる!」という体験を、親子で沢山共有できますね。
2.帰ってきたら手を洗おう
玄関からの動線を考えた間取りです。
土間で靴を脱いで、数歩で洗面台。
曲がり角もドアもないので、ストレスなく手洗いまで辿りつけます。
身体が小さなうちは踏み台などが必要になるので、洗面ボウル下の収納スペースに置いておくのが良いですよ。
水栓のハンドルはレバータイプの物がおすすめ。
幼児の力でも開け閉めできるので、「自分でやる!」を叶えてあげやすいのが嬉しいポイント。
手洗いの動作や水を止める習慣づけにもなりますね。
また、レバータイプは手でべたべた触らなくても止水でき、衛生面でも優秀です。
3.自分の服は自分で管理しよう
ファミリー用のウォークインクローゼットも、子どもの自主性をはぐくめる場所です。
共感住宅レイアウトでは、上下2段のハンガーパイプをクローゼットにつけることができます。
その場合、下の段は床から90cmの高さが標準。
4歳児の身長が大体100cmですので、幼稚園・保育園の制服をかけたり、上着を取ったりすることも可能です。
開いたスペースには引き出し付きの棚なども並べられるので、靴下などを自分で片づける事も出来そうです。
「自分のものを自分で管理できる」という自信が、毎日のルーティーンの中で自然とついてくるのではないでしょうか。
まだ一人で着替えられないお子さんにも、「お着換えの場所」「服を片づける場所」と教えることはできます。
これからクローゼットの整理をされるかたは、成長段階や子どもの性格に合わせて、無理のない収納・使用の方法をとりいれるのが良いですよ。
今回は、子どもの自主性を育てる間取りやアイデアをご紹介しました。
自分でやりたい気持ちにこたえる造り。
どうすれば良いか、わかりやすいカタチ。
注文住宅は細かな収納や造作、デザインまでつくり込むこともできるので、子育てにジャストフィットした家の実現も夢ではありません。
……ただ、子どもはすぐに大きくなります。
発達には個性があるので全てのお子さんやご家庭に当てはまる話ではありませんが、歩いたと思ったら走り始めるのが子供です。
3歳の子の身長に合わせた棚をつくっても、たった3年で使いづらくなることもあるのです。
家は永く使うモノ。
そして、10年、20年、50年後も、その時々で暮らし心地を最大にしてほしい。
だから、出来るだけフレキシブルに対応できる間取りやカタチで建てるのが良いですよ、とお勧めしています。
ご紹介したアイデアも、子ども「だけ」に寄り添ったものではないと、お気づきになられたのではないでしょうか。
家具選びがさらに楽しくなりますね。
【2024.8.9更新】