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date:2025.10.01

犬の素描。コルネリス・フィッセル「眠る犬」スウェーデン国立美術館 素描コレクション展 ―ルネサンスからバロックまでで展示

こんにちは、清水です。

夏休みの美術館巡りの続編。

 

スウェーデン国立美術館 素描コレクション展 ―ルネサンスからバロックまで」を見に行きました。

「スウェーデン国立美術館 素描コレクション展
―ルネサンスからバロックまで」の風景

 

素描とは、チョークや炭、インクなど素材で描かれた、多くは習作です。

ですが、ただの「練習」「下書き」にとどまらないのが素描。

作品のようにサインが入れられ、売られたり贈られたりしたものもあったそうです。

 

昔、素描集の模写をしたとき、全て役割を持った線で構成され、理解と表現がここまで絡み合ったものがあるのかと衝撃を受けた記憶があります。

巨匠たちの手の動き、目の動き、考えを感じ取れるのも素描の持つ魅力ですよね。

 

さて、展示の中で興味深かったのはルーベンスのもの。

フランダースの犬のアニメを見たことがある方は聞き覚えのある名前かもしれません。

主人公のネロがどうしても見たかった絵の作者です。

ペーテル・パウル・ルーベンス「アランデル伯爵の家臣、ロビン」の素描。「スウェーデン国立美術館 素描コレクション展 ―ルネサンスからバロックまで」で展示。

 

全ての絵を単独で描いたわけではなく、巨大な工房を運営して、そこで大量の作品を制作していた時期もあります。

展示されていた素描はまさに工房時代のもので、弟子たちへの指示も書き込まれているのが、仕事の風景を感じさせて面白かったです。

布のたっぷりした感じとか、体重を感じる姿勢、表情などが無駄のない線で表現されていて巧みでした。

ペーテル・パウル・ルーベンス「アランデル伯爵の家臣、ロビン」の素描の部分。「スウェーデン国立美術館 素描コレクション展 ―ルネサンスからバロックまで」で展示。

 

デューラーの素描も非常に良かったです。

油彩でも作者の手の動きや時間を感じられますが、素描にもそれが見えます。

デューラー研究の書籍などを読んで、知識を深めたらより面白く鑑賞できそうだと思いました。

アルブレヒト・デューラー「みつあみの若い女性の肖像」素描。「スウェーデン国立美術館 素描コレクション展 ―ルネサンスからバロックまで」で展示。

 

現実に存在するものを、紙や板など平面の中に表すことの面白さ、静かな興奮。

それに注力する時間のすばらしさ。

そういうものを思い出せた時間でした。

 

 

 

さて、国立西洋美術館は、松方コレクションという膨大なコレクションがあります。

企画展を見たら同じチケットで入れるので、新幹線の時間ギリギリまで見ました。

ボナール、セガンティーニ、ハンマースホイ、といった非常に好きな画家の作品を一度に見られるので最高!

松方コレクション。ピエール・ボナール「坐る娘と兎」。

 

松方コレクション。ヴィルヘルム・ハンマースホイ「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」

 

ジョヴァンニ・セガンティーニ「羊の剪毛」

 

今後の企画展も気になるものがあるので、また絶対に行きます。

清水でした。

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