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ルイジ・ギッリ、光の触り心地

date:2025.09.17

ルイジギッリ展

こんにちは、清水です。

皆さんはルイジ・ギッリという写真家をご存じですか?

私も最近まで知らなかったのですが、大変素敵な写真ですので、ぜひ紹介させてください。

 

私は年に何回かは美術館へ行くようにしています。

長期休みや旅行の際には他県の美術館まで足を運びますが、今年の夏は東京都写真美術館へ行きました。

ルイジ・ギッリ展をみるためです。
東京都写真美術館ルイジ・ギッリの入口

 

展覧会を知ったのはSNS。

タイムラインに流れてきた画像が目に留まりました。

モランディのモチーフが写真になってる!」

ぜひ見てみたい、ということで新幹線を予約しました。

 

ルイジ・ギッリのモチーフには、「確かにこんな景色あるな」と思わせるものがたくさんありました。

もちろん国が違うので普段の自分の生活圏にはない風景ですが。

例えば石畳に映る影とか、柄のついた包装紙、店の看板、美術館で美術品を見る人々、旅行先の家の壁などです。
ルイジ・ギッリの写真。包装紙や街中で見られる風景など

 

「あるある」と思えるのに、作品として良さを感じるのがすばらしいですよね。

切り取り方、構図に、丁寧なルイジ・ギッリのまなざしを感じます。

良いと思ったものを切り取る自由さに、強い解放感を覚えました。

 

観覧の切っ掛けとなったモランディのアトリエは、画家が亡くなった後に撮ったらしいです。

モランディの絵から感じる永遠のような瞬間のような、独特な美しさが漂っているなぁと思いました。
ルイジ・ギッリの写真。画家モランディのアトリエを写す

 

ルイジ・ギッリはもともと測量技師で、写真活動を始めたのは30代。

そこから若くして亡くなるまで、20年位しか活動期間がありません。

歳を重ねるにつれ、新しいチャレンジに消極的になりがちですが、そんなことを気にしていてはいけないなと勇気づけられます。

 

最近は、スマホやPCの画面上に表示されたデータで写真を見ることがほとんど。

どこか、流れる時間と光の一瞬を切り取ったものという解釈になっていました。

ですが展覧会で観た、印画紙に出力された写真は、そういったデータとは違った見え方をしていました。

時代も場所も遠いのに、手触りを感じたのです。
ルイジ・ギッリの写真。白い壁に植物がある

 

人にも肉体があるのだから、物質の世界を忘れてはいけないなと思った時間でもありました。

物質の世界を意識することで、知っているはずの物をもう一度見ることができそうなきがしますね。

清水でした。

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